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2006年01月12日

「南海の金鈴」発売!

ロバート・ファン・ヒューリック
発売日:2006/01
価格
あまなつShopあまなつで見る同じレイアウトで作成
先日も描きました通り、「南海の金鈴」発売となりました。
今回は楽天で予約扱いではありませんでしたが、意外と早かったですよ。8日発送済みで、9日か10日に受け取った気がします。最近、ネット通販にそれほど早さは求めなくなりました~(届けば良いよ、届けば)。

ちょっと気忙しくて本編は暫く読めそうにないんですが、読んでしまった部分がありますので簡単に。

この前に刊行された「柳園の壺」では、作者のヒューリック氏と江戸川乱歩、本邦初のディー判事翻訳者としても注目される魚返善雄らによる座談会収録という、すごいオマケがありました。それに引き続いてか、今度の「南海の金鈴」でも特別附録として作品舞台の実在都市に関する「広州拾遺」という和邇さんの手になるコラム集が収められています。

オランダ人が英語で書いた中国物を日本語に翻訳するという、想像するだに難しい作業をやってのけている和邇さんですが、それを支える中国に関する知識も素晴らしいものがあります。ディー判事シリーズそのものが、年代記・事件史的な歴史観だけではくみ取れない中国文化への理解を助けてくれる良き創作であり、毎回その背景へ触れられる後書きは中国文化に心惹かれる人達が読んで必ず得るところのあるものとなっています。

忌憚のないところを書いてしまうと、WEB上にあるディー判事シリーズの評価を見ていると良いものと悪いものが混沌としています。もちろん、読書というものは究極的に好きか嫌いか、合うか合わないかに尽きるので当然であります。恋愛のようなものですな。
ただ、評価の低い感想を書いている方々は単なる推理物、単なる戦後に書かれた洋物小説としてしか見ていないような気がします。ぶっちゃけ、そういう見方のみで読むとこのシリーズはつまんないです。やっぱり歴史物、それもただ狄仁傑を主人公にしたというだけでなく、古典の「狄公案」を下敷きにしていることが念頭にないと、「古くさいミステリ」という評価が仕方ない面は否めません。
というわけで、ただのミステリとしてだけじゃない読み方を補ってくれる訳者あとがきがとても面白いのです。関連一般書・概説書の紹介もありますよ。各見出しを抜き出してみました。

「広州拾遺」
嶺南地方とは
仙羊の天降る花のまち
広州とペルシア・イスラム
エメラルドとイスラム
「南海の覇者」鄭和
『千夜一夜』と女たち、そして……
飲食物について

イスラムの文化というのも惹かれるところなので、今回の記事も楽しかったですね。
去年のNHKによる世界遺産のプログラムでマカオを観たとき印象深かったんですが、マカイエンサは大航海時代以後に産まれたものだとはいえ、唐代にはイランや中近東との文化交流(と混血)も多かったんでしょうね。
広東省はやっぱり中国の南玄関なのだなあ。最近の報告では、仏教伝来も南方からの海洋ルート伝来が有力なようです。

投稿者: 冰児

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